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子育て支援行政のデジタル化を後押し!?340以上の自治体が支持する「母子モ」とは?

子育て支援行政のデジタル化を後押し!?340以上の自治体が支持する「母子モ」とは?

音楽・動画・書籍を配信する総合Webサイト「music.jp」や、女性の健康情報サービス「ルナルナ」などのモバイルサービスで知られるエムティーアイが提供する母子手帳アプリ「母子モ」の導入が、全国の自治体で着実に広がり続けている。

多くの自治体が導入進めている「母子モ」について、同社 電子母子手帳サービス部 部長 帆足 和広氏にお話を伺った。

(聞き手:デジタル行政 編集部 野下 智之)

ありそうでない!?「予防接種のスケジュール機能」が魅力

-「母子モ」の概要やサービスの枠組みについてお聞かせください。

「母子モ」は、母子健康手帳と併せてお使いいただくアプリケーションサービスです。現状の自治体や医療機関の業務上、すぐに母子健康手帳を完全に電子化するのは難しく、利用者には母子健康手帳と併せてご利用いただいています。

妊娠中や出産後のお母さん方に、このアプリを使っていただくことで、子育てに関する不安や負担の軽減、孤立化の解消をサポートしています。

「母子モ」を使っていただく対象は、妊婦とお子さまが6歳ぐらいになるまでの保護者ですが、使っていただくことが多いのは、妊娠中から0~1歳のお子さまを育てる時期の方が多いです。

サービス自体は妊娠、出産、子育てそれぞれの状況に合わせた幅広い機能を提供しています。代表的な機能は、「予防接種のスケジュール機能」です。今、複数の予防接種をそれぞれの接種ルールに従って打つ必要があり、保護者はスケジュールを管理するのが大変です。

一方で一定期間中に受け切らないと、無料期間が終了してしまいうこともあります。「母子モ」では、保護者や子どもの状況を加味して、自治体や医療機関の方針に沿った、効率的なスケジューリングが自動でできるため、非常に喜んでいただいています。

自治体の子育て行政のデジタル化を支援

-貴社「母子モ」のサービスの概要と、枠組みについてお聞かせください。

「母子モ」は自治体に初期設定・運用費をいただきながら、子育て世帯に提供しています。自治体から住民へは無料で配布していただいています。自治体からは、妊娠中や子育て中に役立つ情報を、子育て世帯にタイムリーに届けたいという要望があります。自治体では今までも、HPを作成したり、紙媒体を配布するなど、様々な方法で情報を届ける努力をされていますが、住民に十分に届いていないことを課題に感じておられます。また現在はコロナ禍で、ますます住民と自治体との接触機会が減っており、普段皆さんが使っているスマートフォンに情報を直接届けられるこのアプリを選択いただいています。

「母子モ」では居住地域やお子さまの月齢などの属性により対象を絞ってタイムリーに情報をお届けすることができます。紙媒体の場合、配布できるタイミングが限られるため、情報を掲載した案内を、束で子育て世帯に渡すということが多いようですが、アプリではそのようなこともなくなり、住民もタイムリーに情報が受け取れるため、自治体、住民の双方の負担を減らすことが出来ています。

2020年6月には、新たなサービスとして、自治体の子育て関連事業のオンライン化を支援するサービス「母子モ 子育てDX」の提供を開始し、その第1弾として、子育て相談などの相談事業や全戸訪問などの事業をオンライン化によりサポートする「オンライン相談サービス」を開始しています。自治体側のオプションのサービスとなりますが、コロナ禍で感染リスクを減らしながら従来通りの事業を行うために、現在30以上の自治体で導入いただいております。住民側には、「母子モ」上でオンライン相談が受けられる案内が表示され、申し込みをしていただいた方に、専用のURLを渡しオンライン通話を実施するという流れになります。

-自治体への導入状況についてお聞かせください。現在どのくらいの自治体に導入されていますか?どのように導入を広げていかれたのでしょうか?

全国1741自治体のうち、340以上の自治体で導入していただいています。年間100自治体ほど導入が増えている状況です。

導入が進んでいる理由については、地道な営業が功を奏したところが大きいです。3年、4年に及び啓発活動をしている中で、自治体からも「このようなツールは必要だよね」と認知していただき、導入事例が増えました。そうすると他の自治体の住民や自治体内からも「うちでも使いたい」といった声が上がるようになり、ニーズの広がりがみられています。

喜んで使っていただいている自治体が増えていることを実感しております。

「母子モ」導入までのプロセス

-自治体はどのように導入を決めるのでしょうか?コンペを行うところが多いのでしょうか?

自治体により異なりますが、通常、自治体が子育て支援策に関わる予算を計上する際に、母子手帳アプリの導入予算も計上し、その後、業者選定となります。当社であれば、通常の場合、決定してから導入まで、約1カ月程度で対応することができます。

最近は、自治体よりコロナ禍において、子育て世帯にタイムリーに情報を配信するために、『母子モ』の導入を検討いただき、当社宛お声をいただくことも、増えており、コロナ関連の補助金を活用して導入されているケースもあるようです。

導入いただく窓口は、多くの場合は母子保健、あるいは子育て支援関連の部局となります。

オンライン機能を有効活用する、目黒区の事例

-象徴的な導入事例についてお聞かせください。

最近はオンライン相談機能を同時期に合わせて導入いただくということが増えており、目黒区様でもオンライン相談機能をご活用いただいています。

目黒区様では、コロナ禍において感染リスクを抑えた子育て支援サービスの提供が課題となっており、その解決策の一つとして、妊婦・保護者向けオンライン面談の実施が可能となる『母子モ』のオンライン相談サービスを導入いただきました。

 さらに、『母子モ』では動画配信機能も備えており、コロナ禍で、子育てに関する講座を人を集めて会場で開催することが難しくなっているため、動画で配信しご家庭でご覧いただくような取り組みをされています。例えば赤ちゃんとの関わり方やお子様向けの手洗いの歌などを動画配信することで、住民の方からご好評を得ておられるとのことです。

行政サービスのデジタル化を支援しより豊かな子育てへ

―今後サービスをどのように拡大させていきたいですか?

まずは1000自治体への導入を目指し、多くの子育て世帯に活用していただけるように、新たな機能の開発や改善に努めています。それに合わせて、デジタル化した母子健康手帳のデータの利活用を通じて、保護者・自治体・医療機関の3者を繋ぎ、簡単・便利かつ安全・安心な子育て環境の提供を積極的に進めてまいりたいと思います。

その活動を通じて、自治体様や医療機関の手間の削減や、保護者の紙の申請や手続きによる手間やリスクの軽減を図り、保護者や子どもの個々の状態に合わせたサービスを提供することで、より豊かな子育てができる環境づくりに貢献してまいります。