ヘルスケアデータの利活用に関する実態が明らかに【デジタル行政・自治体アンケート調査】
デジタル行政は、令和6年1月から2月にかけて、全国1,741市区町村の医療・介護保険制度事業および介護予防・地域支援事業担当課を対象に、ヘルスケアデータの利活用状況や課題についてアンケート調査を実施した。
全国の自治体では、「国保データベース(KDB)システム」が広く使われている。
KDBシステムは全国の国保連合会が保有する健診・医療・介護の各種データを利活用し、統計情報や個人の健康に関するデータを作成・提供し、保険者の効率的かつ効果的な保健事業の実施をサポートすることを目的として国保中央会が開発したシステムである。
本調査では、国保データベース(KDB)システムおよび外付けシステムの利用実態、ヘルスケアデータの利活用状況等を明らかにし、今後の機能拡充等、利用者のニーズを明らかにすることを目的としている。
【本調査の概要】
■調査対象
全市区町村1,741×2セクション(医療・介護保険制度事業および介護予防・地域支援事業担当課)
回収数656件(回収率18,8%)
■調査方法 郵送およびWEBアンケート調査
■調査期間 2024年1月10日~2024年2月9日
■調査主体 株式会社シード・プランニング デジタル行政 編集部
回答者の属性について
北海道が最も多く65件、次いで愛知県34件、鹿児島県25件と続き、回答自治体の人口規模は、「~9999人(10000人未満)」が24.0%と最も多く、次いで「10000~19999人」が20.2%、「90000人以上」が17.5%であった。
また、回答者の携わっている事業は、「健康増進・健康づくり」が最も多く48.5%、次いで「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」が48.1%、「介護予防」37.3%であった。
Q. 市区町村について、都道府県名を教えてください。
Q. 市区町村について、総人口を教えてください。
Q. 携わっている事業について教えてください。(あてはまるもの全て)
KDBシステムの使用状況と使用目的
KDBシステムの使用状況については 「毎月使用している(37.3%)」と「年に数回は使用している(37.7%)」はほぼ同数、「ほとんど使用していない・使用したことがない」は25.0% )であった。
また、KDBシステムを使用している回答者の使用目的は、「健康統計の分析と現状把握」が最も多く90.4% 、 「市区町村別・地域別の比較等による現状把握」68.6% 、「保健事業の事業評価及び対策」62.3%であった。
Q. 国保データベース(KDB)システムを使用していますか。(1つだけ)
Q. KDBシステムをどのような目的で使用していますか。(あてはまるもの全て)
Q. KDBシステムをどのような目的で使用していますか。(あてはまるもの全て)※その他の内訳
KDBシステムの利活用理由
データ分析を行うために、KDBシステムを活用している理由としては、「健診・医療・介護の情報を横断的に集計・分析できるため」が最も多く83.5%、次いで「地域の現状把握や健康課題の把握が容易にできるため」80.8%、「県・同規模自治体・全国との比較により地域の特徴や課題を把握できるため」76.5 %であった。
なお、KDBシステムを「ほとんど使用していない・使用したことがない」とした回答者の理由は「技術的に活用できる人材・ノウハウが不足しているため」が最も多く42.3%、次いで「作業時間の確保が難しいため」30.1%、「他のシステムを活用しているため」 が20.9%(n=34)であった。
Q. データ分析を行うために、KDBシステムを活用している理由を教えてください。(あてはまるもの全て)
Q. KDBシステムを使用していない理由について教えてください。(あてはまるもの全て)
KDB補完システムの利用状況
KDBシステムで不足しているデータの分析における外付け(KDB補完)システムの利用状況については「活用したことがない」が最も多く58.3%、次いで「活用している」25.0%であった。
Q. KDBシステムで不足しているデータの分析に関して、外付け(KDB補完)システムを利用していますか。(1つだけ)
ヘルスケアデータの収集・利活用に関する課題
ヘルスケアデータの収集・利活用において直面している課題は、「分析結果をうまく次のアクションに繋げられない」が最も多く57.9%、次いで「分析知識やスキルのある人材がいない」55.5%であった。
Q. ヘルスケアデータの収集・利活用において、直面している課題にはどのようなことがありますか。(あてはまるもの全て)
ヘルスケアデータの連携状況
ヘルスケアデータの分析にあたり、自治体内でデータの共有や連携を行っているか否かについては「一部行っている」が最も多く53.1%、次いで「行いたいが、実現できていない」と「まったく行っていない」が同率で17.4%であった。
Q. ヘルスケアデータの分析にあたり、自治体内でデータの共有や連携を行っていますか。(1つだけ)
ヘルスケアデータの収集・利活用に関して、医療機関等からデータ提供や協力が得られているか尋ねたところ、「十分得られている」と「どちらかといえば得られている」を合わせると39.8%が、医療機関等からデータ提供や協力を得られていることがわかった。
なお、「あまり得られていない」と「まったく得られていない」を合わせると60.3%は協力等が得られていない。
Q. ヘルスケアデータの収集・利活用に関して、医療機関等からデータ提供や協力が得られていますか。(1つだけ)
ヘルスケアデータの収集・利活用に関する懸念や知識の向上
ヘルスケアデータの収集・利活用におけるセキュリティに対する懸念は、「非常にある」と「どちらかといえばある」を合わせると47.2%が懸念している。
「あまりない」と「まったくない」を合わせると52.8%、セキュリティに対する懸念は低い。
ヘルスケアデータの分析・利活用を行うにあたり、スキルや知識の向上が求められているか尋ねたところ、 「非常に求められている」と「どちらかといえば求められている」を合わせると88.6%が「求められている」と回答した。
Q. ヘルスケアデータの収集・利活用を行うにあたり、セキュリティに関する懸念はありますか。(1つだけ)
Q. ヘルスケアデータの分析・利活用を行うにあたり、スキルや知識の向上が求められていますか。(1つだけ)