埼玉県警、山岳救助を迅速に行うため民間企業と協力へ[ニュース]

埼玉県警、山岳救助を迅速に行うため民間企業と協力へ[ニュース]

埼玉県警は、株式会社ヤマレコの遭難者照会システム「SAGASU」を導入し、迅速な山岳遭難救助へつなげる。2023年6月に発生した遭難事故で埼玉県警がヤマレコに問い合わせをしたところ、遭難者の救出に役立ったことが導入のきっかけとなった。

協定締結のきっかけ

2023年6月に埼玉県内で山岳遭難事故が発生した。遭難者は通報時、携帯電話のバッテリーが3%しか残っておらず、自分の位置を誤認している状態であったため、捜索は困難だと思われた。

そこで埼玉県警は、株式会社ヤマレコに対し遭難者の情報提供依頼をかけたのだ。

当時協力関係になかった2者だが、株式会社ヤマレコが「SAGASU」システムを活用し、翌日の遭難者発見に大いに役立ったため、今般協定締結に至った。

「SAGASU」の概要

「SAGASU」は、登山アプリ「ヤマレコ」に登録された遭難者の情報を検索できるシステムだ。遭難者の携帯電話番号・メールアドレス・ヤマレコのユーザー名を入力し検索することで、遭難者の情報を確認できる。なお、いずれか一つでも情報が一致すれば情報を確認できるため、3つすべてが分からなくても問題ない。

検索結果画面では遭難者の位置情報や、過去の登山歴、登山計画書などを確認できる。また、遭難者情報は、QRコードや認証コードで簡単にシェアできるため、捜索隊員間での情報共有もしやすい。

登山アプリ「ヤマレコ」の概要

「ヤマレコ」は、登山やアウトドアの際に役立つ地図アプリだ。登山ルートや、地名などのデータをあらかじめダウンロードすることで、電波環境の悪い山中でもGPSを利用して位置情報を確認できる。また、登山計画書の作成から提出までをアプリ上で行え、GPSログに写真・動画・コメントを残すことも可能だ。また、「いまココ」機能を使うことで家族と簡単に位置情報をシェアできるため、登山者の安全を家族が見守ることもできる。

登山計画書の提出や、家族と位置情報を共有することは、遭難の防止や遭難時の早期発見につながる。山岳遭難は誰にでも起こる可能性があるため、登山者の情報登録が推奨される。

(執筆:デジタル行政 編集部)