徳島県、国内初となるインフラシェアリングを活用したハイブリッドな5GネットワークによるDX推進を実施[ニュース]

徳島県、国内初となるインフラシェアリングを活用したハイブリッドな5GネットワークによるDX推進を実施[ニュース]

徳島県とケーブルテレビ徳島、NEC、NECネッツエスアイ、NTTドコモ四国支社、NTTコミュニケーションズJTOWERの6社は、JTOWERが提供する5G共用装置の活用により、ケーブルテレビ徳島、NECグループが提供するローカル5Gとドコモのキャリア5Gを併用するハイブリッドな5Gネットワークの環境を国内で初めてインフラシェアリングにて構築し、医療分野をはじめとする徳島県のDXを推進する。

まずは、徳島県庁舎、徳島県立中央病院に環境整備を行い、2023年春の運用開始を目指す予定となっている。

徳島県は、2011年、地上デジタル放送への移行を機に、山間部を含む県全域にてケーブルテレビ網および光ブロードバンド環境を整備しており、全国トップクラスの通信インフラを活用した企業誘致のほか、雇用、教育、防災等、多岐に渡る先進的なICT施策に取組んでいる。

さらに、2020年3月の5G商用サービス開始とともに「徳島5G革命」を打ち出し、同月に全国の自治体で初となるローカル5G予備免許を取得し、地域の病院と基幹病院を5Gでつなぐ遠隔医療の取組みを開始するなど、少子高齢化による人口減少や多発する大規模災害など様々な課題解決に向けた取組みを進めている。

今回の新たな取組みにより、ローカル5Gの強みである安定性・高セキュリティと、キャリア5Gの強みである広域性・汎用性を組み合わせた、これまでにない革新的な施策を実現するハイブリッドな5Gネットワーク環境が整う。

ユースケースとしては、緊急性の高い救急医療において、キャリア5Gの活用により、走行中の救急車から患者の高精細映像や心電図等のデータを病院と共有することができることから、医師が救急救命士に迅速かつ的確な指示を行うことができ、病院到着前から適切な準備に着手することが可能となる。併せてローカル5Gの活用により、高精細動画等の大容量データを県内の病院間で安全に共有し、救急対応を行う病院を他病院が支援することが可能となるなど、更なる医療品質の向上が実現する。

さらに、ハイブリッドな5Gネットワーク環境により通信回線の冗⾧化が図られ、災害時などでもより安定した医療・災害支援対応が可能になる。

今回、インフラシェアリングによりローカル5Gとキャリア5Gの基地局設備を共用化することで、設備の簡素化や省スペース化、省電力化等が可能となり、より効率的で環境に配慮したネットワーク環境の整備が実現した。

今後、徳島県がローカル5Gの取組みを推進していくうえで、地域におけるキャリア5Gの効率的なエリア拡大が可能となり、県内の5G通信環境の向上にもつながる。

今回の取組みを通じて、ローカル5Gとキャリア5Gの双方を活用するハイブリッドな5Gネットワーク環境の先駆的なモデルケースの構築を目指していくとしている。

【ハイブリッドな5Gネットワーク環境 概念図】
【各社の主な役割】

(執筆:デジタル行政 編集部 柏 海)