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岡山県笠岡市が新たな移住促進策として県内初の「VR空き家内覧」を開始 [ニュース]

岡山県笠岡市が新たな移住促進策として県内初の「VR空き家内覧」を開始 [ニュース]

岡山県笠岡市は、VRクラウドスペースリーを新たに導入し、笠岡市HP内において360度画像を用いたVR空き家内覧を開始する。同市は空き家対策や移住促進プロジェクトの一環として、「空き家バンク」という空き家を売りたい人と購入したい人とのマッチングを実施している。コロナ禍で遠方から笠岡市へ足を運ぶことができない人に向けて、VR空き家内覧を導入した。

ポイント:

①笠岡市が岡山県内自治体初VRクラウド スペースリーを導入し、360度画像のVR空き家内覧をスタート

②事前にVRで空き家の現状を確認してもらえるため、利用者は現地内見の満足度向上、職員は業務効率化を期待できる

③オンライン相談会やVR空き家案内の実施で、移住希望者のニーズや疑問にも細かく対応可能

笠岡市空き家バンクHP:

http://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/teijyuu/39982.html

【移住希望者・空き家の現状と課題】

笠岡市は、高齢化による空き家対策や移住希望者の住居を提案するため、「空き家バンク」という空き家を売りたい人と購入したい人とのマッチングを実施している。令和2年度は、 賃貸・売買合わせて年間51件の契約実績となり、48名が空き家バンクを利用して笠岡市に移住し、人口維持に大きく寄与していた。しかし、コロナ禍において、都市部からの移住相談は以前より増えたものの、実際に笠岡市へ足を運ぶことができないために、空き家の内覧や移住を諦めるケースが相次いでいた。

同市では人口減少や高齢化による空き家問題が深刻であり、平成25年の笠岡市空き家調査では1,833戸、住宅総数の約1割が空き家であったが、調査から8年経過した現在、空き家件数は著しく増加。「空き家バンク」を利用して移住者を増やし、空き家に住んでもらうために、VRクラウドスペースリーを導入する運びとなった。遠方からでも空き家を360度リアルに確認できる「VR空き家内覧」の導入により、移住関心層の増加に繋げるなど、移住促進を図っていく、としている。

【VR空き家内覧とは】

360度カメラで各部屋を撮影し、パノラマビュー化した空き家の室内をwebブラウザ上で内覧できる。空き家のマッチングをしている自治体は全国数多くあるが、空き家をVR内覧できる自治体はまだまだ少なく、岡山県内では初の取り組み。

360度カメラとスペースリーのスマートフォン専用アプリが入ったデバイスさえあれば、撮影からクラウドへの写真アップまで簡単にVRコンテンツを制作できる。また、残置物の個人情報や防犯対策のための周辺環境モザイク処理もクラウド内で編集可能なため、家主への配慮も行いながら空き家の現状も利用者へ伝えることができる。360度VRは利用者自身が部屋の隅々まで細かく情報を得られるため、電話の問合せ時間の削減等、職員の業務改善も期待している。

VR空き家内覧が可能になったため、現地まで足を運ぶことができないという理由で空き家の内覧や移住相談を諦めていた人にも、オンラインで画面共有をしながらの説明や相談受付も可能になった。

【笠岡市について】

笠岡市は岡山県の西南部に位置する小さな港町。南は瀬戸内海に7つの有人島,北は緑豊かな山や田んぼが広がっている。日本で2番目に大きい笠岡湾干拓地にある道の駅では,菜の花やひまわりが咲く広大な花畑があり,年間を通して多くの観光客が訪れている。また、宝島社が発行する移住者向け月刊誌「田舎暮らしの本」2021年2月号が発表する「2021年版住みたい田舎ベストランキング」において,小さな市部門の自治体269の中で総合部門第12位を獲得。穏やかな気候や充実の子育て支援が支持されている。

(執筆:デジタル行政 編集部 與那嶺 俊)