沖縄県豊見城市、所蔵する戦後資料をデジタルデータとして活用へ[ニュース]

沖縄県豊見城市、所蔵する戦後資料をデジタルデータとして活用へ[ニュース]

沖縄県豊見城市は、株式会社モルフォAIソリューションズのソフトウェアを使い、市所蔵の戦後資料をデジタルデータとして活用する。

ソフトウェアの概要

今回豊見城市が導入するのは、「FROG AI-OCR」だ。図書館向けのAI-OCRとして開発されたこのソフトウェアは、旧仮名遣いや旧字体、複雑なレイアウトの資料読み込みにも対応している。

「FROG AI-OCR」によって旧仮名遣いから新仮名遣いへの変更が可能となり、電子化した歴史資料の検索時に新仮名遣いにも対応できるようになる。研究や教育の現場で役立つことが期待される。

ソフトウェア導入の経緯

沖縄県では、沖縄戦下で数々の資料が消失した。このことから、自らの手で発行物を作り上げる文化が根付いている。行政のみならず小さな団体までもが、新聞やフリーペーパーなどの発行物を作成してきた。戦後から集まった資料は膨大な量で、広範囲に及ぶ。

県が民間企業に委託して、資料を徐々に電子化し保存しているが、既存のAI-OCRの多くは複雑な文章レイアウトに対応しきれず、文書テキスト化は思うように進んでいなかった。

「FROG AI-OCR」は他のAI-OCRと比べて多様なレイアウトに対応し、文字を読み込む機能や文字判読に長けている。市の広報誌や議会資料、歴史資料を「FROG AI-OCR」で文字判読しテキスト検索ができるようにする予定だ。テキスト検索に対応することで、これまで以上に市民が沖縄の歴史への理解を深められると期待される。

 (執筆:デジタル行政 編集部)