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凸版印刷、自治体向け保健医療データ分析ツールを開発[ニュース]

凸版印刷、自治体向け保健医療データ分析ツールを開発[ニュース]

凸版印刷は、自治体の保有する健診結果や医療レセプト情報、自治体独自の保健事業によって取得した住民のヘルスケアデータなどを集約/可視化し、新たな保健事業の立案などのためにデータ分析ができる「自治体向けBIツール」を開発。2022年4月14日より提供を開始した。

保健師の意見を取り入れ開発された、同ツールは、健診結果や医療レセプト情報などから、地区/行政区毎に医療費平均や疾病状況を分析することが出来る。また国勢調査などの地域プロファイリングデータと対比することにより、課題に応じた対象者の抽出をはじめ、保険者努力支援制度に基づく取り組みや、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施に向けた活用、保健事業の効果的な勧奨施策や新たな事業立案に活用することができる。

さらに自治体が独自で実施している保健事業による住民のアンケートなどのヘルスケアデータも、「自治体向けBIツール」に取り込んで、一緒に分析することが可能となっている。

同ツールの特長は以下のとおりである。

①簡単な操作でデータ分析が可能
データ分析に必要とされる、複雑なグラフ化などの作業を省略し、直観的な操作で分析ができる。自治体データだけでは補えない、地域プロファイリングなどの統計データも取り入れ、エリア特徴に応じた勧奨にも活用できる

②地区ごとに分析/グラフ化が可能
市単位、行政区や学区、町丁目ごとに分類し、地図やグラフ化が簡単に実現する。分析メニューは、医療費のエリア別特性や糖尿病対象者の地域別状況の把握などが可能。分析結果のグラフなどの見える化と対象者の抽出が同時に行うことができる。これにより、「医療費が高い傷病」や「重症化を予防すべき対象者」について、自治体独自に予防事業を企画するなどの医療費適正化に向けた対策の検討材料として活用できる。

③高いセキュリティ性
住民の健康状態や医療費など機微な個人情報であるため、個人が特定できないように加工し、個人情報保護法に準じた運用を行なう。

なお、同ツールは、提供開始に先立ち滋賀県大津市におけるデータ利活用実証実験に採用されている。
大津市ではモデル地域において、咀嚼機能低下の課題に対して個別指導を行い、対象者の口腔機能の改善・維持を目的とする口腔機能低下予防事業を実施している。

今後モデル事業を市内全域に展開するにあたり、オーラルフレイルチェック表などを「自治体向けBIツール」に取り込み、課題把握の効率化と適切な個別指導プログラムの検討に、データ利活用実証実験を通して検証していく。

また、凸版印刷は「自治体向けBIツール」に、蓄積されたデータによる疾病予測や介護状態の予測などAIによる分析機能などのアップデートを進め、2022年度までに30自治体への提供を目指している。また、同社が提供する他のヘルスケア関連サービスとの適正な連携も進めていく。

(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)