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下呂市、避難所DX体験会を開催[ニュース]

下呂市、避難所DX体験会を開催[ニュース]

岐阜県下呂市は、避難所運営システムの研究・開発を行うGcomホールディングス株式会社と実証を進めている避難所のデジタル管理サービスの体験会(以下「避難所DX体験会」)を開催した。


■避難所DX体験会の目的

防災士も含めた避難所の管理者に、避難所運営方法の変革を体験してもらうため避難所DX体験会を開催。下呂市では飛騨川の氾濫を機に、防災課題の解決を図るため避難所運営システムの実証に踏み切った。


■避難所DX体験会のテーマ1:避難所に密を作らない

1)全国的な地域課題

コロナ禍においては、社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保や体調不良者のゾーニングが重要である。そのため各避難所の収容可能人数が従来と比べ少なくなり、避難所に入れなくなる「たらい回し」や「避難所難民」といったリスクが高くなる。


2)解決方法

マップ型リアルタイム混雑情報配信サービス(ウェブサービス)により、各避難所の位置や混雑状況を確認可能。住民が避難所を検索して避難先を選択できるようになるため、混雑状況の問い合わせを削減しつつ分散避難を図ることができる。これにより「避難先に迷わない世界の実現」を目指す。


■避難所DX体験会のテーマ2:避難所の受付に行列を作らない

1)全国的な地域課題

避難所を開設する際、避難者の誘導だけでなく避難者の情報登録や定期的な情報集計・共有、備蓄物の管理など多くの作業が発生している。さらにコロナ禍によって事務が煩雑化した結果、住民が雨のなか避難所の受付に大行列をなす地域もあり、避難所運営の効率化・省力化が求められている。


2)解決方法

避難者情報を非接触かつ自動的にデータ化し管理・分析することができるようになる。

避難所では、住民が2次元バーコード(QRコード)を提示するだけで受付が可能。他にも、マイナンバーカードや運転免許証などの身分証をカメラ式OCRで読み取ることでも受付可能。


3)期待される効果「運営負担軽減と住民の利便性向上を両立」

従来の避難者カード記入受付と比較し、避難所受付時間を大幅に短縮する。一世帯当たり数十秒で受付可能であるため、受付待ち時の感染リスクを軽減できる。また、避難者カードを記入しないため接触行為による感染も防ぐ。


なお、デジタルケア避難所システムの避難所の開所/閉所操作や実際に受付を行った避難人数を、下呂市で利用中の避難所混雑状況配信サービス「VACAN Maps」にリアルタイムにデータ連携させることで、「VACAN Maps」の運用効率化を図る。また、受付を行った避難者情報は、データが利活用できるようにシステムが1時間に1回、自動集計して保存される。一例として、3時間前の避難所の収容人数を知りたいといった場合でも、ボタン一つで知りたい情報を入手でき、県やメディアへの定期報告といった用途に活用することができる。

(執筆:デジタル行政 編集部 渡辺 龍)