四日市市、投票所の混雑情報をリアルタイムに可視化。空き情報配信サービス「VACAN」を採用[ニュース]

四日市市、投票所の混雑情報をリアルタイムに可視化。空き情報配信サービス「VACAN」を採用[ニュース]

AIとIoTを活用してあらゆる空き情報を配信するスタートアップ、株式会社バカン(東京都千代田区、代表取締役:河野剛進)は、三重県四日市市に三重県知事選挙に向けて期日前及び当日投票所に混雑可視化サービスを提供すると発表した。三重県での投票所への導入は初となる。配信はバカンが提供するリアルタイム空き情報配信サービス「VACAN」を通じて行われ、アプリなどのダウンロードなしに誰でもインターネット上から確認が可能となる。

■期日前・当日投票所の混雑情報の配信について

今回の導入では四日市市が期日前・当日投票所を開設する際、バカンが投票所のリアルタイム混雑情報配信を行うサービスを提供する。配信は、バカンが提供するマップ上で近くの施設等の空き・混雑状況を一覧できる「VACAN Maps」(https://vacan.com)を用いている。

投票者はこのVACAN MapsにPCやスマートフォン等でアクセスすることで、投票所の位置や混み具合を確認することができるようになっている。​混み具合の情報は、投票所の職員が専用のIoTデバイスを操作することで更新する。表示は、「空いています」「やや混雑」「混雑」の3段階。

■導入の背景

日本には1,724の市区町村があり、衆・参議院選挙や地方選挙など多くの選挙が毎年実施されている。しかしコロナ禍においては、感染拡大防止のために人と人との間に距離を確保する社会的距離(ソーシャルディスタンス)などが求められれる。これは投票所でも例外ではなく、これまでとは異なった人が集中することを避けた分散投票が重要な課題だ。

総務省も昨年から各自治体に、選挙の管理執行における新型コロナウイルス感染症への対応について通知を出しており、2021年1月22日には各自治体に「投票所などの混雑情報の積極的な提供を求める」通達が新たに出されている。

そうした状況を踏まえ各自治体はマスク着用の徹底や消毒液の設置、定期的な換気などを行ってきた。今回の導入はこれまで行ってきた一連のコロナ対策に加え、1月の総務省からの混雑可視化の通達に対応する取り組みとなる。特別な機器の設置など無しに投票所のリアルタイム混雑情報を、手軽に可視化できる環境の実現を目指す。

中でも期日前投票は投票所数が当日投票時に比べ少ないため、密になりやすい可能性が指摘されている。今年に入って行われた選挙では、期日前投票が例年に比べて数倍多くなる地区もでており、バカンが導入された練馬区や板橋区でも前回同時期に比べ1.5~2.0倍ほど来場者が増えた期間もあるなど、期日前投票の混雑対策の重要性も高まっている。

今回の導入により、投票者は混雑状況や投票所の位置をスマホなどから簡単に確認できるため、密を避けやすく投票に安心して行きやすくなると想定される。混雑を可視化し住民の方が自主的に密を避けやすくすることで、少しでも投票しやすい環境の整備をサポートし、投票率の向上を目指すとしている。

(執筆:デジタル行政 編集部 大野 裕貴)