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加古川市、参加型民主主義プラットフォーム導入で第16回マニフェスト大賞優秀賞を受賞[ニュース]

加古川市、参加型民主主義プラットフォーム導入で第16回マニフェスト大賞優秀賞を受賞[ニュース]

兵庫県加古川市は、参加型民主主義プラットフォーム「加古川市版Decidim」の導入~コロナ禍における新しい市民参加型合意形成のカタチを実現~」の取り組みで、第16回マニフェスト大賞優秀賞を受賞した。

今年度は全2,730件の応募があり、「関西エリア選抜」165件に選出され、さらに「優秀コミュニケーション戦略賞」の受賞となった。

マニフェスト大賞とは、地方自治体の議会・首長等や地域主権を支える市民等の、優れた活動を募集し、表彰するものである。これにより、地方創生を推進する方々に栄誉を与え、さらなる意欲向上を期するとともに、優れた取り組みが広く知られ互いに競うようにまちづくりを進める「善政競争」の輪が拡がりが期待される。
参考: http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/greeting/ 

加古川市は、市民中心の課題解決型スマートシティを目指すための方針である「スマートシティ構想」を策定し、スマートシティの主役となる市民の意見を可能な限り構想に反映するため、オンライン上で議論ができる場として「市民参加型民主主義プラットフォーム:加古川市版 Decidim」を立ち上げ、オンラインとオフラインを融合した意見収集を実現した。以上の点が評価され今回「加古川市版Decidim」が受賞となった。

「Decidim」は、インターネット上において市民と行政が対話して社会課題の解決につなげるツールとして、スペイン・バルセロナ市で誕生し、「Decidim」という言葉は、スペイン・カタルーニャ語の「決定しよう」または「決定する」という意味を持つ。

コロナ禍において市民を集めたワークショップの開催が憚れ、従前からのオフラインにおける集会に参加したくても時間的な制約で参加できない人々や、サイレントマジョリティと言われる方々の地域における気づきの掘り起こしにおいて、オンラインツールを活用した意見収集は非常に有益なものとなりつつある。

加古川市では、「スマートシティ構想」の策定にあたり「スマートシティは誰のためにやるのか」という点、また、「先進技術を入れることだけを目的化しない」ために、地域に住んでいる人たちの意見をしっかり聴きながら一緒にまちづくりを行っていくという「DIY都市」をコンセプトとし、「加古川市スマートシティ構想」を策定する意見収集ツールとして 2020 年 10 月に「加古川市版 Decidim」を立ち上げた。

「スマートシティ構想策定」においては、地元の高校の授業において Decidim 上の意見募集に対して、オフラインワークショップや授業において活用してもらい、導入初年度は 300 ユーザーの約 4 割が 10 歳代という極めて特徴的な使われ方になり、最終的にはスマートシティ構想案に対して 261 件のコメントが寄せられ、スマートシティ構想案への反映を行った。

2021 年度からは、施設の愛称募集や市内を流れる一級河川加古川の河川敷利活用アイデアの募集をはじめ、様々なテーマで意見交換や提案が行われている。2022 年 4 月にオープンする複合施設の愛称募集では、クラウドソーシングで集めた愛称候補の中から、複数案からの絞り込みを行う際に Decidim の投票機能を活用した。その後、施設の周辺住民に回覧板による投票の実施や、利用想定の住民が目にとまるよう各地でシールによるオフライン(リアルの場)による投票をしてもらうなど、オンラインとオフラインを組み合わせるタイミングについても工夫を凝らしながら実施している最中である。

Decidim を活用した施設の愛称決定のプロセスにおいて、愛称の決定過程を共有することで、「自分も愛称決定に参加した」という実感ができ、施設利用にもつながるエンゲージメント獲得にも寄与するという大きな流れを作る中で、デジタル・プラットフォームを活用した合意形成をとることができている。 
参考: https://kakogawa.diycities.jp/

(執筆:デジタル行政 編集部 和泉 理子)