宮崎県がMRTとオンライン診療実証実験を開始

宮崎県は、MRT株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小川智也、以下 MRT)と連携し、中山間地域におけるオンライン診療実装を見据えた実証実験を実施する。2025年1月21日(火)、22日(水)の2日間、宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町(以下 五ヶ瀬町)において、この取り組みが行われた。
取り組みの背景・目的
五ヶ瀬町は宮崎県の北西部に位置する標高500m〜1,000m超の中山間地域であり、人口減少と高齢化が進行している。2023年時点での総人口は3,400人、高齢化率は44.8%に達している。これに伴い医療ニーズは高まっている一方、町内の医療施設は五ヶ瀬町国民健康保険病院(以下 国保病院)のみであり、地域医療の維持が課題となっている。
宮崎県は、限られた医療資源を最大限に活用し、持続可能な地域医療体制を構築するため、オンライン診療の導入を推進。五ヶ瀬町をはじめとする中山間地域でのオンライン診療実装を見据え、MRTと協力して実証実験を実施することとなった。
取り組みの概要
本実証実験では、国保病院と五ヶ瀬町内および隣接市町村の福祉施設をオンラインで結ぶ診療体制を構築する。看護師が福祉施設に出向き、患者のそばでシステム利用や診療のサポートを行う「DtoPwithN」形式を採用する。MRTは国保病院に医療DXシステム「Door.」を提供し、オンライン診療運営体制の構築を支援するほか看護師の確保・手配も行う。
取り組みのイメージ図

今後の展望
MRTは、全国約100の官公庁・自治体と協力し、地域医療の課題解決に取り組んできた。本実証実験を通じて、アンケート調査などを実施し、地域住民の意見を反映させながら、山間地域・過疎地域におけるオンライン診療サービスの可能性を拡大する。
宮崎県は誰もが快適に医療にアクセスできる環境の整備を目指し、引き続き医療DXの推進に取り組む方針である。
(執筆:デジタル行政 編集部)