三重県志摩市、kintoneで総合相談業務の作業時間を年間約625時間削減

三重県志摩市は、M-SOLUTIONS株式会社が提供する地方自治体向けセミオーダー型の業務パッケージサービス「Smart at 自治体DX」を導入した。この「Smart at 自治体DX」は、サイボウズ株式会社の業務改善プラットフォーム「kintone」を活用したもの。
同市の介護・総合相談支援課における「総合相談業務」では、この導入により職員1人につき1日30分程度、部署全体で年間約625時間の作業時間が削減された。これにより、市民からの相談対応により注力することが可能となった。
導入の背景と効果
同市は、令和4年度からDX推進の一環として「ペーパーレス化」や「書かない窓口」の導入を行ってきた。しかし、介護・総合相談支援課では、Microsoft Excelなどを使用したアナログな相談記録管理が業務のボトルネックとなっていた。
この課題を解決するため、志摩市はサイボウズの「小規模市町村向け 自治体まるごとDXボックス」でkintoneを活用し、内製化を進めると同時に「Smart at 自治体DX」を導入した。その結果、以下の効果が得られた。
- 担当職員全体での情報共有と管理が可能になった。
- 帳票などへの転記作業が効率化された。
- 部署全体で年間625時間の作業時間削減を達成した。

業務システムの改善
従来、同市では高齢者など介護が必要と見込まれる方に関する住民からの相談内容を、Excel台帳への入力と紙の規定帳票への転記を組み合わせた複雑なプロセスで管理していた。これにより、二重入力による業務負担、過去の相談履歴検索の手間、関係各所への非効率な報告作業などの課題が生じていた。
M-SOLUTIONSに、同市の業務内容のヒアリングやコンサルから、課題を解決するkintoneによる業務システムを作成までを依頼した。その結果、同市は42.2%の作業改善率を達成し、創出された時間をより充実した相談対応や付加価値の高い業務へ注力することが可能となった。
志摩市 政策推進部 スマート改革・資産経営課 デジタル戦略係 池田 佑 係長からのコメント
今回の取組は、原課職員が「今の業務を変えていこう、改革していこう」という思いを持つことの重要性を知る、大変良いきっかけになったと思っています。これを機に、介護・総合相談支援課にとどまらず、全庁的なDX推進へつなげていきたいと考えています。
(執筆:デジタル行政 編集部)